近年、「金・プラチナ・銀」といった貴金属への投資が注目を集めています。
楽天証券を活用した積立投資は、初心者から上級者まで幅広い投資家に適しており、今回はその魅力と具体的な方法をご紹介します。
また、先日、金価格が市場初の1万円超えとなり、これがニュースとして報道されました。このような市場の変動も、金・プラチナ・銀への投資の興味深い側面の一つです。
金・プラチナ・銀などの貴金属には、他にもETF（上場投資信託）やCFD（差金決済取引）を通じた投資が可能ですが、現物取引ならではの利点を紹介するとともに、注意すべきポイントもお伝えします。
さらに、楽天証券の魅力として、楽天カードを利用した決済による積立投資では、0.5％のポイント還元があります。この点も解説していきます。
金・プラチナ・銀への投資について
記事内容は将来のリターン（利益）を保証するものではありません。金やプラチナへの投資には価格の変動による損失が生じる可能性があることをご理解いただき、慎重に投資をご検討いただくようお願い申し上げます。
楽天証券での金・プラチナ・銀への投資とは
金やプラチナの魅力について
金という貴重な資産は、投資家の間で関心がますます高まっています。
金はインフレに対して強く、経済の変動や通貨価値の変化に左右されることなく、その価値を保ち続けると言われています。これは、金が世界共通の通貨として認識されていることによるものです。
例えば、株券や紙幣は物質的には紙に過ぎません。紙そのものに価値はなく、会社や国家が紙の価値を保証しているのです。もしも会社や国家が傾いた場合は、その価値は一気に損なわれます。
それに対して、純金は、金という物質そのものに価値が有ります。国境や通貨の違いを超えて、金は広く受け入れられる貴重な資産です。経済の変動があっても、政治的な不安定要因が影響を与えても、金はその価値を損なうことがありません。これは、金の持つ希少性と永続性に基づいています。
さらに、金は「有事の金」としても知られています。
有事の際には、政治的・経済的な不安定要因が高まり、通貨の価値が揺らぐことがあります。しかし、金はこのような状況下でも安定した避難資産としての役割を果たします。金の価値は戦乱や経済危機の中でも保たれ、その信頼性がますます高まるのです。
金の採掘量と希少性
なぜ金は価値が高いのでしょうか？
それは、希少性と使い道にあります。
これまでの金の採掘量は約190,040トンです。国際基準のプール約4杯分しかないとされています。
さらに、未採掘の金は約54,000トンほど存在すると言われています。ただし、これらの未採掘金の多くは採掘が困難な地域に存在しており、将来的には地上にある既存の金を再利用する以外に手段がなくなる可能性が高いようです。
（引用：田中貴金属より）
金の利用価値について
金は利用価値が非常に高いです。
限りある資源となる金ですが、その利用価値は高い。
- ジュエリー
- ハイテク産業
- 金融商品
- その他
多様な利用価値が、金の魅力と価値を支えています。
金はその美しさと輝きから、ジュエリーや装飾品の素材として広く愛されています。その独特の輝きは、他の金属では代替できない魅力であり、永遠の価値を持つものとされています。
ハイテク産業でも重要な役割を果たしています。電子機器の中には金を使用しているものが多く、高い導電性や耐食性を活かして多くの機器に使用されています。
そんな金ですから、貴金属としての価値は高い。金は財産を保全する手段として、金融商品や投資の一部として活用されています
金は存在そのものに価値が有ります。
楽天証券と貴金属店の違い
金を購入する際には、ネット証券と貴金属店の違いについて考えることが重要です。
| 楽天証券 | 貴金属店 | |
|---|---|---|
| メリット | 購入のハードルが低い | 現物を手にしやすい |
| デメリット | 現物を手にしにくい | 購入のハードルが高い |
もし気軽に購入したいのであれば、ネット証券が適していますが、一方で現物を手にするハードルは高めです。逆に、現物を迅速に手に入れたい場合には、貴金属店が優れていますが、購入のハードルは高くなります。このような違いが存在します。
一般的に「金」と言えば、インゴット（ゴールドバー）を想像する方が多いでしょう。そして、インゴットを購入する場合、貴金属店が第一に思い浮かびます。実際に、貴金属店ではインゴットに触れることができ、直接購入も可能です。
しかし、そのハードルは高いです。私のような者にとっては緊張するものであり、店舗に入るだけでも勇気が必要です。これに対して、楽天証券を活用すれば、気軽に金を購入することができます。
楽天証券では、貴金属店では難しい少額からの投資が可能です。現物に触れることはできませんが、少額から気軽に投資できる点が楽天証券の魅力です。
ただし、注意が必要です。※貴金属店では5g程度からの購入が可能ですが、それに対して楽天証券では現物を受け取るためには100gを超える購入が必要です。
例えば、毎月1gずつ購入したとしても、現物を手にするには100ヶ月かかることになります。
※インゴットとコイン
貴金属店ではインゴットの他にコインも扱っています。こちらならもっと少ない重量で購入できると思われます。
投資信託・ETF・CFDとは違った魅力がある
金やプラチナへ投資する手段は現物投資だけはありません。
金やプラチナへの投資手段には、現物投資と投資信託・ETF・CFDといった選択肢が存在します。これらの手段には異なる魅力があり、投資家のニーズや投資スタイルに合わせて選ぶことができます。
CFDやETF、投資信託を通じて金やプラチナへの投資が可能ですが、現物投資との違いがあります。主な違いは以下の2点です。
1. 運用コスト: 現物投資は買付時に手数料が発生しますが、その後の運用コストはかかりません。一方、ETFなどの投資手段では、買付手数料の他にも売却手数料や運用コストが発生することがあります。ETFなどの場合、運用コストは資産残高に応じて長期間にわたって発生することがあります。
下記のチャートは現物投資とETFを積み立てた場合のコストの比較です。
2. 投資対象: 現物投資は金やプラチナそのものを購入し所有します。一方、ETFや投資信託は金やプラチナの値動きに連動する商品に投資することになります。現物投資は金やプラチナそのものを手にすることができ、将来的には現物を受け取ることも可能です。
楽天証券で金・プラチナ・銀を購入する魅力とメリット
積立投資はカード決済で0.5％還元
楽天カードでの積立で楽天ポイントが0.5%還元。
これが楽天証券で金を購入する魅力の一つです。
楽天カードを使用して積立を行う際には、決済額の0.5%がポイントとして還元されます。
また、楽天証券ではカード決済の上限が設定されています。金、プラチナ、銀それぞれについて、10万円が上限となり、これらを合わせて合計30万円までのカード決済が可能です。
積立投資は、スポット購入と異なり、定期的な購入額を設定して投資を行う方法です。毎月20日が積立の申し込み締め切りとなりますが、この締め切りは土日祝日に関係なく適用されます。その後、21日から24日にかけて楽天カードの認証を行い、翌月1日に積立が実行されます。なお、土日祝日に当たる場合は翌営業日に積立が行われます。
積立の翌月15日には、積み立てた金額に応じたポイントが付与されます。そして、積立の翌月27日には楽天カードの支払いが行われます（休業日に当たる場合は翌営業日支払い）。この一連のプロセスを通じて、積み立てた資産の増加とともに、カードのポイントも増加していくこととなります。
以下。概要を羅列します。
- 楽天カードで積立決済すると0.5%ポイント還元
- 楽天カードであることが条件
- スポット購入ではなく積立であること
- 金、プラチナ、銀それぞれ10万円が上限
- カード決済は合計で30万円まで
- 積立の申し込み締め切りは毎月20日（土日祝日関係なし）
- 21日～24日にカードの認証を行う
- 翌月の1日に積立となる（土日祝日は翌営業日）
- 翌月15日にポイント付与
- 翌月の27日にカードの支払い（休業日は翌営業日）
楽天証券での積立投資は、楽天カードを有効活用することで、資産形成とポイント還元を同時に実現できる魅力的な方法です。定期的な積立によって、将来の資産を計画的に増やすチャンスとなります。
小額（1,000円）から投資ができる
楽天証券の魅力の一つは、少額から貴金属への投資が可能な点です。
積立投資は1,000円以上からスタートでき、1,000円単位での積み立てができます。さらに、年に2回の増額設定が可能です。これにより、ボーナスなどのタイミングに合わせて投資額を増やすことができます。もちろん、積立投資以外にもスポット購入（買い注文）が可能です。市場の下落時などには、スポット購入を通じて追加投資を行うこともできます。
これにより、投資の柔軟性が高まります。少額からの積み立てで資産を着実に増やすことができる一方で、市場の変動に対してもアクティブに対応できる点が楽天証券の大きな利点です。資産形成の計画に合わせて、少額から始めて着実に拡大していくことができるのです。
保管料や売却手数料が無料である
楽天証券の金・プラチナ投資は保管料と売却手数料が無料となっています。
ただし、購入時には購入手数料が必要となります。
そして、購入費用は株式投資へ投資と比べると高いことを付け加えさせていただきます。
金やプラチナの買付手数料は「売買代金の1.65%」となっています。
株式投資と比べるとコストがかかります。
しかし、安値で購入して高値で売却することを考えると、購入時のみで売却時に売買手数料がかからないのは嬉しいですね。
現物を手にして価値を感じることができる
楽天証券の金やプラチナへの投資は現物への投資です。そのため、現物受取（引出し）サービスにより、金やプラチナの現物を手にすることができます。このサービスに申し込むことで、金やプラチナを自宅に発送してもらうことができます。
驚くべきことに、金はロンドンで保管されており、純度99.99%の未流通の新品が送られてくるとされています。これにより、高品質で価値ある金を所有することができます。
しかしながら、現物受取には手数料がかかり、受け取る手続きも一定のハードルが存在します。金とプラチナの場合、受取単位は100g・500g・1000gとなっています。
例えば、金なら最低の100gでも現在価格なら100万円近い価値となります。さらに費用として、現物受取手数料と発送手数料。※本対消費税相当額が必要となります。
金の現物を手に入れることは一定の困難が伴いますが、その魅力は計り知れません。将来的にはインゴットを手にする夢を持ちつつ、着実に積立投資を行うことも一つの魅力的な選択肢と言えるでしょう。
※本体消費税相当額について
購入した金はロンドンで保管されており、購入時には消費税がかからないようです。そのため、日本国内での受け取り時に消費税が課税されることになります。
口座に戻すことはできない
受取サービスで現物を手にすると、楽天証券に戻すことはできないのでご注意ください。
楽天証券で金・プラチナ・銀に投資するリスクとデメリット
金の価格も下落する可能性がある
- 有事の金
- 世界共通の通貨
- 希少性の高い資源
- インフレに強い
- デフレで支持される
金の価値を示す言葉は数多くあります。しかし、そんな金でも下落することは多々あります。
2001年頃から価格が大きく上昇し、2011年に高値を付けました。2013年以降に下落して2018年頃まで低迷が続きました。そして、2019年を過ぎると一気に上昇しています。
これは2001年以降のチャートですが、それ以前にも金は上昇と下落を繰り返してきました。
金やプラチナへの投資は長期的な視点で行うことが重要です。10年、20年先を見据えて投資するのが正解かもしれません。
金価格は常に右肩上がりではない。
これは覚えておきましょう。
ただ、2020年の株価の下落に対して、金価格はそれほど下落していないことが分かります。これに関しては、さすがは「有事の金」と言ったところでしょうか。
チャートについて
チャートは金CFDのチャートとなります。金の値動きに連動する商品ですが、金そのものの値動きではないことをご了承ください。
金の値動きが気になる方はこちらをどうぞ。
株式投資と比較すると高い手数料
楽天証券での金やプラチナ投資は買付手数料が「売買代金の1.65%（税込）」となっています。これは積立購入もスポット購入も同様となっています。（売却時は無料）
これは株式投資と比較すると明らかに高い。仮に、20万円分の取引をしたとしましょう。株取引は現物取引の手数料とします。
- 株式投資：115円（税込）
- 金、プラチナ：3300円（税込）
これだけの差があります。購入金額が大きくなれば、さらに差は広がります。
（株式投資は売却時も手数料がかかります）
さらに、金やプラチナは購入価格と売却価格には価格差があります。いわゆるスプレッドです。株式と比較すると高い買付手数料とスプレッドの存在。金やプラチナへの投資は株式投資と比べるとコストが高いと言えるでしょう。
配当金などは受け取れない
金やプラチナに投資をしても配当金などのボーナスはありません。
株式投資なら配当金や株主優待といった副産物が得られます。いわゆるキャピタルゲインだけではなく、インカムゲインも得られます。私のようにセミリタイア生活をしている者にとっては、生活を支えてくれる配当金は大変魅力です。
100万円分の株式を持っていれば、３％で3万円の配当金が得られます。金やプラチナだったら値上がりを期待するだけとなります。
また、価格が下落して含み損となった場合にも違いがあります。株式投資ならば、配当金を受けながら株価の回復を待つこともできます。もし株価が戻らなくても、配当金で一部の損失をカバーできる可能性があります。しかし、金やプラチナの場合、値動きに頼るしかありません。価格が戻らなければ、ただただ価値の回復を願うしかないのです。
楽天証券で金・プラチナ・銀を購入する手順
積立取引とスポット取引の違い
金やプラチナの取引方法には「積立取引」と「スポット取引」の2つがあります。
| 取引 | スポット取引 | 積立取引 |
|---|---|---|
| 取引内容 | 自身のタイミングで購入可能 | 月に一度、設定分を購入する |
| 取引日時 | AM9:00～PM3:00 PM5:15~PM12:00 | 申し込み翌月の第一営業日 |
「スポット取引」は、自身の好きなタイミングで金やプラチナを購入する方法です。市場が下落した際に購入することで、価格の安値での取引が可能となります。
「積立取引」には2種類あります。
- 定額取引：毎月一定の金額を積み立てて投資します。この方法では購入金額が一定であり、金額に応じた重量を購入します。
- 定量取引：毎月一定の量を積み立てて投資します。こちらでは決まった重量を購入し、それに応じた金額を支払います。
特に「定額取引」は投資計画を立てやすく、資金に合わせて着実に投資を進めることができる利点があります。
| 商品 | 金・プラチナ | 銀 |
|---|---|---|
| 定額取引 | 1,000円単位で注文可能 | 1,000円単位で注文可能 |
| 定量取引 | 1g単位で注文可能 | 10g単位で注文可能 |
最低注文量については、定額取引では金・プラチナ・銀のいずれも1,000円単位で注文可能です。一方、定量取引では金とプラチナは1g単位で、銀は10g単位での注文が可能です。
積立投資の利点は、ドルコスト平均法を活用できることです。将来的に価格が上昇することを見込んで、長期間にわたって定期的に積み立てることで、変動する市場環境に柔軟に対応できるメリットがあります。
「金・プラチナ・銀」取引の申込み手順
楽天証券に口座を開設していることが前提です。
口座を開設してない場合は、口座開設が必要となります。
楽天証券にログイン後、画面上にあるメニューの「金・プラチナ」をクリック。
買い注文の「申込」をクリック。
- 金・プラチナ取引規定
- 金プラチナ取引ルールについて
上記2点のPDFファイルを確認して「次へ」をクリック。
選択式の質問があるので答えていきます。
全部回答したら「次へ」をクリック。
登録情報と先ほどの質問の回答が表示されます。
登録情報と回答に問題が無ければ「申込」をクリック。
これで申込受付完了です。
登録情報や質問の回答に不備がない場合は、すぐに取引可能となります。
積立取引の手順
投資したい銘柄の「積立」をクリック。
今回は例として金を積立てたいと思います。
「注文方法」、「金額」、「増額/増量の月設定」、「決済方法」を入力しましょう。
暗証番号を入力して、「設定する」をクリックすると注文完了です。
こちらは定額注文の例です。
- 積立方法：定額
- 積立設定：1万円/月
- 増額月：7月と12月
- 増額：2万円
- 決済方法：クレジットカード
毎月1万円の積立で、ボーナス月の7月と12月に2万円増額。決済手段は楽天カードとなっています。
こちらは定量設定の例です。
- 積立方法：定量
- 積立設定：1g/月
- 増額月：7月と12月
- 増額：2g
- 決済方法：証券口座
毎月1gの積立で、ボーナス月の7月と12月に2g増額。決済手段は楽天証券の残高となっています。
カード決済について
定量積立はカード決済ができません。
スポット取引の手順
投資したい銘柄の「買い注文」をクリック。
購入したい銘柄の「買い」をクリック。
今回は例として金を購入したいと思います。
購入方法を選択して、金額指定なら購入金額を入力。グラム指定ならグラム数を入力します。
今回は金額指定で1万円分を購入します。
暗証番号を入力して「購入する」をクリックすれば購入となります。
楽天証券での金・プラチナ・銀への投資のまとめ
金やプラチナへの投資は、多くの投資家の関心を引いています。
さまざまな投資手段が存在する中で、金やプラチナの現物投資は独自の魅力を持っています。
金やプラチナの希少性と価値の安定性は、経済の変動や不確実性が高まる状況においても注目されています。これらの貴金属は、インフレやデフレといった経済状況に強く、ポートフォリオのバランスを保つ上で心強い存在となります。
楽天証券を活用した金やプラチナへの投資は少額から可能です。積立投資により、手軽に金やプラチナへの投資を開始しすることができます。
楽天カードを利用した決済による積立投資での0.5％のポイント還元など、独自の特典もあります。
ただし、金・プラチナへの投資には価格の変動に伴うリスクが付きものです。将来のリターンを保証するものではないため、慎重な投資計画とリスク管理が大切です。
金やプラチナの投資は、長期的な視点で価値を見極めることが重要です。
投資の際には自身のリスク許容度や目標に合った方法を選び、着実な資産形成に向けて進んでいくことをお勧めします。
