少し前にネット上で炎上した記事がある【底辺の仕事ランキング】という記事だ。公開して間もなく運営会社に批判が殺到して記事は削除されたようだ。私は炎上後に知ったので記事の確認はできなかった。
それでもネットニュースにも取り上げられたこともあって、大まかな内容は把握できた。すぐに炎上するこのご時世に、よくこんな記事が書けたな。という内容だ。
簡単に内容を説明すると
- 特定の職業に就くと生きるのに苦労するよ
- この職業に就かないためにはどうするか
といった記事だった。そして対象となる職業に底辺職といった表現が使われていた。
悲しいことに、私のサラリーマン時代の職業が底辺職一覧の中に見事に入っていたのだ。
私はそんな底辺職に24年を捧げてきた。底辺職に生かされて、底辺職で得た賃金を元に資産を築きセミリタイアした。そんな私がこの記事を黙ってスルーするワケにはいかない。
かといって、業界からドロップアウトした私が代表ヅラして反論するのもおかしな話だ。何より面白くない。反論は頭の良い記者や教授に任せることにする。
強引かもしれないが【底辺職】と【セミリタイア】を絡めて記事にしたい。そしてセミリタイアに対しては底辺職ならではの強みもあることを主張したい。
底辺職という表現
記事内で特定の職業に対して、底辺職といった表現が多く利用されます。元記事の表現を引用したもので、私個人の主張や思想ではないことをご理解ください。
私と底辺の職業ランキング
まずは元記事が主張していた底辺職一覧がこれだ。
- 底辺職①:土木・建設作業員
- 底辺職②:警備スタッフ
- 底辺職③:工場作業員
- 底辺職④:倉庫作業員
- 底辺職⑤:コンビニ店員
- 底辺職⑥:清掃スタッフ
- 底辺職⑦:トラック運転手
- 底辺職⑧:ごみ収集スタッフ
- 底辺職⑨:飲食店スタッフ
- 底辺職⑩:介護士
- 底辺職⑪:保育士
- 底辺職⑫:コールセンタースタッフ
- 底辺職(例外):株・FXトレーダー
以上。
私は工場作業員として24年過ごした。自分の半生を底辺呼ばわりされてしまった訳だが、それに対して怒りなどは全くない。前職に思い入れが無いから何を言われてもいい。というワケでもない。単純に慣れているからだ。
騒いでいるのは外野
工場で24年働いて、その間に羨望の眼差しで見られたことなど一度もない。逆にネット限定だが見下されることは日常茶飯事だった。もう慣れている。
今回の件も
- 外野が見下してきて
- 外野が反論している
このようにしか感じなかった。
恐らくだが、底辺職認定された方の中にも私と同じような感想を持った方は多いのではないでしょうか?
底辺職と負け組
底辺職などの表現は昔から使われていたし、負け組というワードを少し前まではよく耳にしていた。【底辺職】も【負け組】も表現の一種に過ぎない。呼び方を変えたところで本質的な部分は何も変わらない。
マーケティングの話になるけど、情報発信をするからには注目は浴びたい。そこで注目を浴びやすいのがランキングである。最近ではランキングは当たり前のように使われるので、さらに上積みが必要。そこで目を付けたのが【底辺】というワードだったワケだ。
上記の職業は、そのマーケティングに使われただけだ。マーケティングが下手な会社がバカをやった程度に思うのがいいだろう。こんなバカは相手にする価値はない。
相手にする価値はない
実際のところは差別意識があって書かれた記事かもしれない。それはライターと発行元にしか分からない。差別意識が有って書いたのなら、なおさら相手にする価値はない。
底辺職の定義とは
【底辺の仕事ランキング】では底辺職の定義として以下のような説明が有ったようだ。
底辺職の特徴
- 肉体労働である
- 誰にでもできる仕事である
- 同じことの繰り返しであることが多い
さらに、底辺職のデメリットとして
- 平均年収が低い
- 結婚のときに苦労する
- 体力を消耗する
と紹介されていた。
これらについても反論などは一切ない。記事元の運営会社の思想に対してどうこう言っても仕方のないことだ。
底辺職と他の職種
セミリタイアと言えばお金は避けては通れません。底辺職とお金を絡めて考えたい。話を進めるのに底辺職との比較となる職業についても調査せねばならない。
元記事だと底辺職の定義の一つに【賃金が安い】がありました。しかし、メーカーの工場に勤めている工場作業員より給料の良い職業なんて簡単に見つかりません。
建設作業員の友人がいますが年収は相当高いです。その他の業界は詳しくはありませんが貰っている人は貰っているでしょう。どこの業界もピンキリなので。
それにホワイトカラーと呼ばれる方々でも年収300万なんて普通です。これだと話が進みません。そこで、底辺職ではない職業は年収800万以上。これで行きましょう。
これなら金銭面に関しては【底辺職<その他】この図式が成り立ちます。
中身が無い記事
くだらない補足をしないと話が進まない時点で、元記事が如何に中身のない記事だということがよく分かります。
セミリタイアに対して不利な点
上記の前提を元に底辺職がセミリタイアに対して不利な点を挙げると
- 給料が劣るので資金が貯めずらい
- 環境面でも不利
この2つが考えられます。
資産について
セミリタイア系の発信者を見ているとサラリーマン時代の職種は様々です。職業をズバリ言ってる人は少ないですが底辺職の出身者は少ないということは分かります。
そして底辺職出身のセミリタイア民より、その他の職種からセミリタイアを達成した方の方が資金が断然多い傾向があります。
環境面について
人は環境に大きく左右されます。周りに金融リテラシーが高い方が多い方が資産形成には有利でしょう。
私は工場勤めで数百人の方と接してきました。正直言って金融リテラシーが高いと感じた方は一人も存在しませんでした。
お金の面に関しては不利
セミリタイア達成までの道のりを考えると底辺職は不利であることは間違えないでしょう。
私は24年間で約5,000万の資金を貯めました。私よりも資産が多いセミリタイア民は大勢います。その方々の経歴を見る限り、底辺職出身の方は存在しませんでした。
私が確認できていないだけで存在はするでしょう。しかし、底辺職出身者の比率は低いです。
言うまでもないですけど
- 年収が高い方が資産形成は有利
これは紛れもない事実です。
ブルーカラーの強み
金銭面で後れを取ってしまった底辺職だが、底辺職ならではの強みもある
- セミリタイアに向いている
- セミリタイア失敗時にリカバリーが容易
この2点だ。
底辺職はセミリタイアに向いている
用意する資金額にもよりますが、セミリタイア後はバイトなどで生活費を得る人は多いでしょう。バイトは時給制が多く、体を使う仕事が多いです。
底辺職出身者は慣れています。バイトにもすんなりと溶け込めるのではないでしょうか?
底辺職とアルバイト
私は工場作業員でしたが多くのことを学んできました。
- ライン作業
- オペレーター作業
- 梱包作業
- 清掃作業
- 配線作業
- 修理作業
- 検品作業
- etc.
その他にも
- 報告資料作成
- 提案資料作成
- プレゼン資料作成
- イベント企画書作成
- etc.
などがあります。
これだけのことを学べば他の業種のバイトにも応用は利きます。
セミリタイア失敗時の社会復帰が容易
考えたくもないがセミリタイア失敗は想定しなくてはならない。
底辺職の業界は出入りが容易だ。底辺職出身のセミリタイア民は失敗時に元の業界に戻りやすい。これが銀行員や証券マンだったら、簡単にはいかないだろう。
当然、底辺職の仕事内容も日進月歩で進化している。ブランクはキツイかもしれない。でも業界のことはよく分かっている。本質的な部分は変わらないから慣れも早い。
底辺職はセミリタイア失敗時に社会復帰しやすいのだ。
セミリタイア失敗
私は過去記事でセミリタイアが失敗しても構わないと言っている。その理由の一つが社会復帰のしやすさです。
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エッセンシャルワーカーが暮らしを支えている
久しぶりにセミリタイア論の記事を書いたが薄い記事になってしまった。
元記事が読めなくてニュースで拾っただけということもあるが本当に薄い。
職業に貴賎はある。だが必要ない職業など皆無だし、あらゆる職業が社会全体を支えていて世の中を構成している。他業種に感謝することはあれど、見下すことなど決してない。大人になれば理解できることだ。
記事の発表元は学生向けのサイトだったので、意識高い系の学生が喰いつくようなワードを使っただけと思いたい。そうでなければ処方する薬がない末期状態だ。
想像力の欠如というのは恐ろしい。私もブログ発信をしているので気を付けたいものだ。運営元は不本意かもしれないが、そう気づかせてくれただけでも【底辺の仕事ランキング】に価値はあったと言えるだろう。
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著者について
高卒で工員として働き続けてセミリタイア達成⇒独自の視点でセミリタイア論について語っています。エリートでなくてもセミリタイアは可能と発信していきます。