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【S&P500に連動する投資信託の比較】全米株式ファンドとどちらを選ぶ?

2022年10月29日

『S&P500』今や投資指標として最も人気です。そのS&P500に連動する投資信託が複数社から販売されています。

そんな『S&P500』に連動する投資信託を比較してみました。さらに、米国株つながりということで、『全米株式』を対象とした投資信託も交えてみました。

S&P500に連動する主なファンドは

S&P500

  • eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
  • SBI・V・S&P500インデックス・ファンド
  • iシェアーズ 米国株式(S&P500)インデックス・ファンド

全米株式に投資できる主なファンドは

全米株式

  • 楽天・全米株式インデックス・ファンド
  • SBI・V・全米株式インデックス・ファンド

各ファンドの特徴や違いをまとめました。投資判断の一つとして役立てれば幸いです。

 

各ファンドの運営元はどこ?

ファンド運営
eMAXIS Slim(S&P500)三菱UFJ国際投信
SBI・V(S&P500)SBIアセットマネジメント
iシェアーズ(S&P500)ブラックロック・ジャパン
楽天(全米)楽天投信投資顧問
SBI・V(全米)SBIアセットマネジメント

eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)の運営会社

      

『eMAXIS Slim(S&P500)』は三菱UFJ国際投信が運営しています。あの有名な『オルカン』などを扱っている会社です。

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SBI・V(S&P500)の運営会社

        

『SBI・V(S&P500)』と『SBI・V(全米)』はSBIアセットマネジメント。この他にも全世界株式を対象としたファンドなども扱っています。

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楽天・全米株式インデックス・ファンドの運営会社

     

『楽天(全米)』は楽天投信投資顧問が運営。今のところ、S&P500が対象のファンドは扱っていません。しかし、全世界や米国高配当株などを対象としたファンドを扱っています。

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iシェアーズ(S&P500)の運営会社

   

『iシェアーズ(S&P500)』の運営はブラックロック・ジャパンです。

ブラックロックは世界最大の運用機関。運用資産残高は2020年12月の時点で、約896兆と発表されています。

ETFも世界一

全世界のETFのうち、約32%(約383兆)がブラックロックの投資信託ブランドである『iシェアーズ』だと言われています。

各ファンドの規模は?純資産比較

ファンド純資産額
eMAXIS Slim(S&P500)1兆5,902憶
SBI・V(S&P500)7,124憶
iシェアーズ(S&P500)144億
楽天(全米株式)7,301憶
SBI・V(全米株式)1,151億
2022年10月28日現在

ファンドの規模と成績は別物

ファンドの純資産と投資成績は関係ありませんが、自分が投資するファンドの規模は知っておいて損はないでしょう。

S&P500対象ファンドの規模は?

   

ファンドの規模は『eMAXIS Slim(S&P500)』が1兆を超える規模となっています。その半分程度の規模ですが『SBI・V(S&P500)』も巨大ファンドです。

『iシェアーズ(S&P500)』は144億。他2社と比べると小さく感じます。しかし、100億を超えていれば、SBI証券で購入できる投資信託では、上位20%に入ります。決して小さいファンドではないことが分かります。

iシェアーズ(S&P500)

「さっきブラックロックの『iシェアーズ』は世界一って言わなかった?」と思われるかもしれませんね。

世界一なのは

  • ブラックロック全体の運用資産残高
  • iシェアーズシリーズのシェア

個別の比較は別物となります。

全米株式対象ファンドの規模は?

    

『楽天(全米株式)』は7,301憶。先に紹介した『SBI・V(S&P500)』並みの規模です。『SBI・V(全米株式)』は楽天には劣るものの、1,151億を超えています。

純資産額が1,000憶を超えれば、SBI証券で購入できる投資信託では上位2%に入ります。

楽天とSBIの差

『SBI・V(全米株式)』はファンドを設立して1年あまりです。これから大きくなっていくことでしょう。

各ファンドの投資目的と目標とする指標(ベンチマーク)は

ファンド目標とする指標
eMAXIS Slim(S&P500)S&P500
SBI・V(S&P500)S&P500
iシェアーズ(S&P500)S&P500
楽天(全米)CRSP USトータル・マーケット・インデックス
SBI・V(全米)CRSP USトータル・マーケット・インデックス

ファンド名に『S&P500』が入っているファンドの目標は、もちろん『S&P500』となっています。各ファンドがこの指標と連動した成果を上げることを目標としています。

全米株式に投資するファンドは『CRSP USトータル・マーケット・インデックス』という指標と連動した成果を上げることが目標となっています。

S&P500

米国株式市場に上場されている代表的な500銘柄の時価総額から算出される米国株式市場を代表する指標。

CRSP USトータル・マーケット・インデックス

米国株式市場の大型株から小型株までを網羅して、投資可能な銘柄のほぼ100%をカバーした株価指標。

各ファンドの信託報酬の比較

ファンド信託報酬
eMAXIS Slim(S&P500)0.0968 %
SBI・V(S&P500)0.0938 %
iシェアーズ(S&P500)0.0938 %
楽天(全米)0.1620 %
SBI・V(全米)0.0938 %
信託報酬比較

S&P500対象ファンドの信託報酬は?

     

SBI・V = iシェアーズ>eMAXIS Slim

『SBI・V』と『iシェアーズは』揃って0.0938 %。『eMAXIS Slim』は0.0968 % その差は僅か0.003%です。

国内で販売されている投資信託では、信託報酬が0.1%を切るファンドは限られています。3ファンドとも投資信託としては最高水準の低コストとなっています。

全米株式対象ファンドの信託報酬は?

   

SBI・V(全米)>>楽天(全米)

正直言って差があると感じます。

『楽天(全米)』の信託報酬0.1620%は決して高くはありません。どちらかと言えば、投資信託全体で見れば『楽天(全米)』はトップクラスの低コストです。

しかし、『SBI・V(全米)』が安すぎます。信託報酬0.0938%。『楽天(全米)』単体で見れば決して高くはないが、『SBI・V(全米)』の方が低コストとなっています。

各ファンドの投資資産は

ファンド投資資産
eMAXIS Slim(S&P500)米国の株式
SBI・V(S&P500)バンガード・S&P 500 ETF (VOO)
iシェアーズ(S&P500)iShares Core S&P 500 ETF (IVV)
楽天(全米株式)バンガード・トータル・ストック・マーケットETF(VTI)
SBI・V(全米株式)バンガード・トータル・ストック・マーケット ETF(VTI)
2022年10月28日現在

S&P500との連動を目指すファンドは何に投資しているのか?

     

『eMAXIS Slim(S&P500)』はマザーファンドを通して米国株へ投資を行っています。

『SBI・V(S&P500)』と『iシェアーズ(S&P500)』はマザーファンドを通して、ETFに投資をしています。

SBI・V(S&P500)

  • バンガード・S&P 500 ETF (VOO)

iシェアーズ(S&P500)

  • iShares Core S&P 500 ETF (IVV)

楽天(全米株式)と SBI・V(全米株式)は何に投資をしているのか?

『楽天(全米株式)』、『SBI・V(全米株式)』はともに同じETFに投資しています。

  • バンガード・トータル・ストック・マーケットETF(VTI)

両ファンドとも運用資産のほぼすべてをETF銘柄の(VTI)に投資となっている。

SBI・V(全米株式)

投資先が同じETFです。『SBI・V(全米株式)』に投資できる環境でしたら『SBI・V(全米株式)』を選んだ方が良いでしょう。

各ファンドの運用実績

ファンド2018年2019年2020年2021年2022年
eMAXIS Slim(S&P500)-7.7%30.5%10.3%44.5%2.3%
SBI・V(S&P500)-%-%10.2%44.2%2.3%
iシェアーズ(S&P500)-7.7%29.7%10.1%43.4%2.3%
楽天(全米)-8.4%29.8%12.8%40.9%1.0%
SBI・V(全米)-%-%-%-%1.1%
2022年10月29日現在

近年の各ファンドの運用実績について

2018年から運用成績は

eMAXIS Slim(S&P500)>iシェアーズ(S&P500)>楽天(全米)

    

2020年からの運用成績は

eMAXIS Slim(S&P500)>SBI・V(S&P500)>iシェアーズ(S&P500)>楽天(全米)

各ファンドの実績について

  • 『SBI・V(S&P500)』の設立は2019年9月。『SBI・V(全米)』の設立は2021年6月となっており、両ファンドは比較できる実績が少ない状態です。
  • 2022年の全ファンドの実績と『iシェアーズ(S&P500)』の実績に関しては、公式発表された数値ではありません。基準価格を基に当ブログが算出した数値となっています。

ご了承ください。

目標とする指標の比較

ファンド目標とする指標2012年からの成長率
S&P500ファンドS&P500310.19%
全米ファンドCRSP USトータル・マーケット・インデックス303.22%
約10年間の成長率

ファンドが目標とする指標の成長率。過去10年間では『S&P500』の方が成長率が高い。

10年前に『S&P500を目標とするファンド』と『CRSP USトータル・マーケット・インデックスを目標するファンド』を購入していたら、前者の方が7%ほど投資成績が良いことになります。

過去の実績について

  • ファンドが指標と連動した成果を上げていればの話です。
  • 過去の結果であり、今後10年の動きは分かりません。

積立注文とNISAの取り扱い

ファンド積立注文NISA積立NISA
eMAXIS Slim(S&P500)
SBI・V(S&P500)
iシェアーズ(S&P500)
楽天(全米)
SBI・V(全米)
積立注文/NISA

全ファンドが積立注文やNISAでの投資が可能となっています。

積立注文が可能なので、自動で『ドルコスト平均法』を取り入れられます。『NISA』、『積立NISA』も可能なので上手く利用していきたい。

ファンドの取り扱い

ご利用の証券会社でファンドが取り扱われていることが条件です。ご了承ください。

米国に投資するには。結局何に投資する?

投資信託について分かることは、運営会社が発表しているファンドの構成や信託報酬。それと過去の実績だけです。未来の投資成績は誰にも分からない。

そのため、「このファンドが正解!ここに投資しろ」とは言えません。

しかし、「宗蔵。オマエが米国のインデックスに投資するなら、何に投資するの」と問われたら

宗蔵

ETFの『VOO』、投資信託なら『SBI・V(S&P500)』を選びます。

ただ、『S&P500』に全て投資することはしません。『S&P500』>『全世界』=『全米』といった感じです。ここに『日本個別株』を交えていきます。

インデックス投資は根気が必要なので、気長にやっていきます。10年後が楽しみですね。

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