『オルカン』。この言葉を最近よく耳にする方も多いのではないでしょうか。Twitterのトレンドにもオルカンの文字が度々見られます。
投資家の関心を集める『全世界株式投資』ですが、『オルカン』以外にも全世界株式に投資できる投資信託は存在します。
『オルカン』を含んだ全世界株式に投資できるファンドはこちら。
- 三菱UFJ国際 - eMAXIS Slim 全世界株式(オールカントリー)
- 楽天・全世界株式インデックス・ファンド
- SBI・V・全世界株式インデックス・ファンド
- SBI・全世界株式インデックス・ファンド (愛称:雪だるま(全世界株式))
※記事内では上から順に、オルカン・楽天・SBI・雪だるまと表記する点があります。
どれも各運用会社を代表するファンドです。
全世界株式に投資できるファンド。これらを比較してみました。
この記事で各ファンドの特徴や違いを比較できます。投資判断の一つとして役立てれば幸いです。
オルカンとはeMAXIS Slim 全世界株式(オールカントリー)の通称
『オルカン』を初めて聞いた方のために簡単に説明します。
『オルカン』とは投資信託の一つである
- 三菱UFJ国際 - eMAXIS Slim 全世界株式(オールカントリー)
のことを指します。
正式名称の一部である(オールカントリー)の略語ですね。
ファンドの運営は三菱UFJ国際投信。『eMAXIS』という人気シリーズの一つです。
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全世界の株式に投資できるのはオルカンだけではない
『オルカン』の魅力は全世界の株式に気軽に投資ができる点でしょう。『オルカン』を購入すれば、先進国も新興国もまとめて投資対象になります。
景気の良し悪しはあるものの、長期目線で見れば世界的に経済は成長していくので、全世界に投資を行うのは理に適っていると言えるでしょう。
ただ、全世界の株式に投資できるファンドは『オルカン』だけではありません。『楽天』や『SBI』が運営する投資信託にも、全世界の株式が投資対象となるファンドはあります。
- 楽天・全世界株式インデックス・ファンド
- SBI・V・全世界株式インデックス・ファンド
- SBI・全世界株式インデックス・ファンド (愛称:雪だるま(全世界株式))
これらのファンドも、各証券会社の投資信託買付ランキングでは上位に上がっています。
『オルカン』も含め比較してみようと考えました。
各ファンドの規模は?純資産比較
ファンド | 純資産 |
---|---|
オルカン | 7301.69 億 |
楽天 | 2207.70 億 |
SBI | 138.06 億 |
雪だるま | 778.66 億 |
ファンドの規模は
オルカン>楽天>雪だるま>SBI
『オルカン』が圧倒的ですが、『楽天』もかなりの規模となっています。『雪だるま』と『SBI』はこれからといったところでしょうか。特に『SBI』は運用開始から間もない状態。これからの成長に期待したいです。
ファンドの規模と成績は別物
ファンドの純資産と投資成績は関係ありませんが、自分が投資するファンドの規模は知っておいて損はないでしょう。
各ファンドの信託報酬はいくらか
ファンド | 信託報酬 | 買付手数料 | 信託財産留保額 |
---|---|---|---|
オルカン | 年率 0.1144% | なし | なし |
楽天 | 年率 0.1990% | なし | なし |
SBI | 年率 0.1428% | なし | なし |
雪だるま | 年率 0.1102% | なし | なし |
投資コストとなる信託報酬ですが、
雪だるま>オルカン>SBI>楽天
の順で信託報酬が低い。
信託報酬だけで見れば、人気の『オルカン』より『雪だるま』の方が投資コストが低いようです。
各ファンドの投資目的と目標とする指標(ベンチマーク)は
ファンド | 目標とする指標 |
---|---|
オルカン | MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス |
楽天 | FTSE グローバル・オールキャップ・インデックス |
SBI | FTSE グローバル・オールキャップ・インデックス |
雪だるま | FTSE グローバル・オールキャップ・インデックス |
各ファンドが目標とする指標になります。
投資信託は、ベンチマークとなる指標に連動する成果を上げることを目標としています。つまりファンドが連動を目指す基準です。
『楽天』、『SBI』、『雪だるま』は同じ指標を。『オルカン』のみ違った指標をベンチマークとしています。
『日経平均』や『S&P500』などと違い、聞きなれない指標ですね。
MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス
MSCIが開発した株価指数。先進国と新興国の株価で構成されている。
FTSE グローバル・オールキャップ・インデックス
大型株、中型株、小型株を網羅する全世界の株式市場の動向表す株価指数。
各ファンドの投資資産は
ファンド | 投資先 |
---|---|
オルカン | 先進国(日本を除く)株式、新興国の株式、日本の株式 |
楽天※ | バンガード・トータル・ワールド・ストックETF (VT) バンガード・トータル・ストック・マーケットETF (VTI) バンガード・トータル・インターナショナル・ストックETF (VXUS) |
SBI | バンガード・トータル・ワールド・ストックETF (VT) |
雪だるま | バンガード・トータル・ストック・マーケット ETF (VTI) SPDR ポートフォリオ・ディベロップド・ワールド ETF (SPDW) SPDR ポートフォリオ・エマージングマーケッツ ETF (SPEM) |
各ファンドが投資を行う資産。
『オルカン』はマザーファンドを通して、先進国・新興国・日本の株式への投資を行っています。
『楽天』、『SBI』、『雪だるま』はマザーファンドを通してETFに投資を行います。ベンチマークの指標は同じでしたが、投資するETFに違いが見られます。
目標に対してのアプローチの仕方が各ファンドに違いがあることが分かります。
オルカンの人気
『楽天』、『SBI』、『雪だるま』の投資先はETFなので自分で購入も可能です。(手間がかかり、比率の調整も面倒ですが)
それに対して、自力で『オルカン』の真似は難しい。『オルカン』が人気である理由の一つでしょうか
各ファンドの運用実績
ファンド | 18年 | 19年 | 20年 | 21年 | 信託報酬 |
---|---|---|---|---|---|
オルカン | -7.5 % | 26.8 % | 9.0 % | 32.7 % | 年率 0.1144 % |
楽天 | -12.6 % | 25.8 % | 8.9 % | 32.0 % | 年率 0.1990 % |
SBI※ | -12.5 % | 27.1 % | 9.4 % | 29.4 % | 年率 0.1438% |
雪だるま | -12.6 % | 25.3 % | 8.9 % | 31.3 % | 年率 0.1102% |
※『SBI』は設立してから日が浅く運用実績がありません。そのため、ベンチマークである『FTSE グローバル・オールキャップ・インデックス』の数値となっています。
18年から運用した場合の実績は
オルカン>>楽天>SBI>雪だるま
20年から運用した場合の実績は
オルカン>楽天>雪だるま>SBI
参考程度に
上記の結果は、各ファンドの運用実績に信託報酬を年次で引いただけになります。
将来の投資成果や各ファンドの優劣を示したものではありません。
実際の信託報酬は日次でかかり、基準価格も毎日違う。購入するタイミングなどで収益は大きく変わってきます。
積立注文とNISAの取り扱い
ファンド | 積立注文 | NISA | 積立NISA |
---|---|---|---|
オルカン | 〇 | 〇 | 〇 |
楽天 | 〇 | 〇 | 〇 |
SBI | 〇 | 〇 | 〇 |
雪だるま | 〇 | 〇 | 〇 |
全ファンドで積立注文やNISAでの投資が可能となっています。
積立注文が可能なので、自動で『ドルコスト平均法』を取り入れられます。『NISA』、『積立NISA』も可能なので上手く利用していきたい。
全世界株式に投資できる投資信託のまとめ
ファンド | 純資産 |
---|---|
オルカン | 7301.69 億 |
楽天 | 2207.70 億 |
SBI | 138.06 億 |
雪だるま | 778.66 億 |
ファンドの規模は
オルカン>楽天>雪だるま>SBI
ファンド | 信託報酬 | 買付手数料 | 信託財産留保額 |
---|---|---|---|
オルカン | 年率 0.1144% | なし | なし |
楽天 | 年率 0.1990% | なし | なし |
SBI | 年率 0.1428% | なし | なし |
雪だるま | 年率 0.1102% | なし | なし |
投資コストは
雪だるま>オルカン>SBI>楽天
ファンド | 投資先 |
---|---|
オルカン | 先進国(日本を除く)株式、新興国の株式、日本の株式 |
楽天※ | バンガード・トータル・ワールド・ストックETF (VT) バンガード・トータル・ストック・マーケットETF (VTI) バンガード・トータル・インターナショナル・ストックETF |
SBI | バンガード・トータル・ワールド・ストックETF (VT) |
雪だるま | バンガード・トータル・ストック・マーケット ETF (VTI) SPDR ポートフォリオ・ディベロップド・ワールド ETF (SPDW) SPDR ポートフォリオ・エマージングマーケッツ ETF (SPEM) |
同じ全世界株式でも、投資先に違いが見られる。
ファンド | 積立注文 | NISA | 積立NISA |
---|---|---|---|
オルカン | 〇 | 〇 | 〇 |
楽天 | 〇 | 〇 | 〇 |
SBI | 〇 | 〇 | 〇 |
雪だるま | 〇 | 〇 | 〇 |
全ファンド、積立設定やNISAでの投資が可能なので上手く利用していきたい。
投資信託とETF。結局何に投資するの?
投資信託について分かることは、運営会社が発表しているファンドの構成や信託報酬。それと過去の実績だけです。未来の投資成績は誰にも分からない。
そのため、「投資するなら、この投資信託だ!」とは言えません。
しかし、「宗蔵。全世界に投資するなら、オマエは何に投資するんだ?」と問われたら
私ならETFの『VT』に投資します。
投資信託の中から選ぶなら、やはり『オルカン』でしょうか
ただ、『全世界株式』への投資比率は少なめです。『S&P500』や『日本株』を優先します。この選択がどうなるのか。楽しみにしたいと思います。
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