業務スーパーに「冷凍ザリガニ」があるのを知っていますか?店頭で見かけて気になっている方もいるはず。
いかにも業務スーパーのゲテモノ枠という感じですよね。
興味はあるけど、中身が見えないし、価格も地味に高め。そんなちょっと勇気がいる商品を調査するのは、私の役目。というわけで、今回は思い切ってチャレンジしてみました!
業務スーパー「冷凍ザリガニ」とは?

この「冷凍ザリガニ」は、中国で一般的に食べられている麻辣(マーラー)味のザリガニ料理を再現したもの。
“麻辣”とは、中国料理でよく使われる花椒(ホアジャオ)のしびれる辛さ(麻)と、唐辛子の辛み(辣)を組み合わせた味付けのことです。

ピリッとした刺激の中に、独特の香りと旨みが広がるのが特徴。四川料理などでは定番の味で、日本でも「マーラータン」「マーラー鍋」として知られることがあります。

実はザリガニは現地では屋台や居酒屋で人気の定番メニューらしく、アメリカやヨーロッパでも「クレーフィッシュ(Crayfish)」として広く食べられているそうです。
つまり日本ではゲテモノ扱いでも、海外では普通の食材なんですね。では、その実態を確かめていきましょう。
解凍・調理方法|流水解凍からフライパン調理まで

パッケージを開けると、ザリガニ本体と調味液のパックが入っています。
ザリガニは氷漬けの状態で、カチカチに凍っています。ちなみに袋から出すと生臭い香りが。
解凍方法について

パッケージ裏の説明では、冷蔵解凍・流水解凍・電子レンジ加熱の3通りが指定されています。しかし、実際に見ると氷の塊になっており、冷蔵解凍ではかなり時間がかかりそうです。

そこで今回は、流水解凍を選択。
表面に水を当てると、みるみるうちに氷が溶けていきます。電子レンジを使う必要はなく、しっかり解凍できました。

氷の眠りから目覚めたザリガニたちを皿に並べてみると・・・そこに現れたのは、まさにレッドモンスター軍団!
見た目のインパクトは強烈ですが、ここまではまだ下ごしらえ段階。このあと、フライパンで香ばしく炒めていきます。
調理方法について

パッケージには「ごま油またはサラダ油で炒める」と書かれていましたが、今回はごま油を使用しました。香りづけにもぴったりです。
中火で温めながらザリガニを投入。
最初は水分が多く、軽く生臭さを感じますが、加熱を続けるうちに水分が飛び、匂いもほとんど消えます。

水気が減ってきたところで、付属の麻辣(マーラー)調味液を加えます。
とろみのある赤いソースがザリガニ全体に絡み、10分ほど炒めるとツヤツヤとした照りが出て、見た目にも濃厚な仕上がりににんにくとは違う、独特の中華スパイスの香りが広がります。

最後に全体を軽く混ぜ合わせれば完成。
実食レビュー|食べ方・味・食感・辛さについて

お皿に盛り付けるとなかなかの迫力!みんなでワイワイ食べるのも良さそうです。
食べ方|殻の向き方と食べられる部分

食べ方は、カニやエビと同じく“殻を剥いて中の身を食べる”スタイル。

パッケージには「頭と腹を持ち、ねじりながら頭を取り外す」と書かれていました。
最初は少し抵抗がありますが、実際にやってみると意外とスルッと外れます。殻は硬すぎず、頭と胴体の間をねじるようにすると簡単に分離できます。

身に付着している黄色い部分は、いわゆるカニみそならぬザリガニみそ?略して「ザリみそ」といった感じでしょうか?

「ザリみそ」の食感はなめらかですが苦味があります。苦手な方は、身だけを食べるのがおすすめです。
味・食感・辛さについて

一口食べてみると、見た目の派手さとは裏腹に意外とクセが少ない味わい。プリッとまではいかないものの、柔らかくて食べやすい食感。全然普通に食べられます
安心したような、拍子抜けしたような感じでした。

味の印象は「エビとカニの中間」。

香りや旨味はエビ寄りで、ほぐれ方はカニに近い感じ。麻辣ソースが絡んでいるものの、身自体の辛さは控えめです。
「激辛!」というよりも、花椒の香りがほんのり残る程度。お子さんでも食べられるぐらいのピリ辛レベルでした。
※ただし、タレ自体は辛いです。指に付着したタレは辛いので注意
可食部の量について

1匹あたり食べられる部分はごくわずか。身の重量を測ってみたところ、1匹あたり約5〜7グラム程度でした。
パッケージには「内容量420g(うち本体350g)」と書かれていますが、実際に食べられる量は全体の3分の1以下(およそ100g前後)と考えるのが妥当です。

爪の中はほとんど空洞で、食べられるのは尾の部分だけ。見た目のボリュームに対して、可食部はかなり少なめです。
エビ代わりのトッピングとしても◎

味や香りがエビに近いため、トッピング素材としては意外に優秀。
試しにカップ麺に数匹の身を入れてみたところ、赤い身がスープに映えて見た目も華やか。味も邪魔せず、ほんのり海鮮の旨みがプラスされました。
「エビの代わり」として使えば、ちょっとしたアクセントに。ちょっと贅沢な使い方ですが、炒飯やラーメンなどのトッピングにも使えますね。
アレンジ実践①|ザリガニ炒飯を作ってみた

せっかくだからザリガニを使って何かできないかと考えて、炒飯を作ってみました。イメージはエビ炒飯。
具材や味付けはお好みでOK。エビをザリガニに置き換えるだけで、ザリガニ炒飯の完成です。

食べてみると、これは美味しい。ザリガニ特有のやわらかい食感が、良いアクセントになっています。
アレンジ実践②|殻で出汁を取ってラーメンに再利用

せっかくのザリガニなので、とことん楽しみたいと思い、殻で出汁を取ってみました。
これはパッケージには書かれていない、完全に私のオリジナルです。

麻辣の味がしっかり染みていることもあって、意外といい出汁が取れました。スープや鍋のベースにも使えそう。

今回はこの出汁を使ってラーメンを作ってみました。味付けはシンプルに醤油と酒を少し加えただけですが、これがなかなか美味しい。
ザリガニの旨みがほどよく出て、少しピリッとした香りが残るスープになりました。お店で「ザリガニラーメン」なんて出したら、話題を呼びそうですね。
動画で見る|冷凍ザリガニの実食&アレンジ調理
写真では伝わらない異様な雰囲気は、動画でこそ分かります。
氷漬けから目覚めるザリガニ軍団、皿の上に整列する真っ赤なレッドモンスター、そしてそれを食す様子。
解凍から実食まで、ザリガニという食材のリアルをそのまま映像に収めています。
商品情報|価格・内容量・原産国・栄養成分
| 商品名 | 冷凍ザリガニ(マーラー味) |
| 内容量 | 420g(ザリガニ350g+調味液70g) |
| 価格 | 税込847.80円(購入時) |
| 原産国 | 中国 |
| 輸入者 | 株式会社 神戸物産 |
| 栄養成分 | (1箱あたり/推定値) エネルギー:251kcal たんぱく質:17.1g 脂質:14.6g 炭水化物:13.0g 食塩相当量:8.0g |
| 原材料 | ザリガニ(※一部にえびを含む)、 植物油脂、唐辛子調味料、豆板醤、砂糖、 塩漬け唐辛子、しょうゆ、牛脂、にんにく、しょうが、 鶏がらスープ、食塩、チキンエキス、米酢、八角粉末、 酒精、山椒粉末/調味料(アミノ酸等)、 着色料(カラメル、パプリカ色素)、増粘剤(加工デンプン) アレルギー物質 小麦・えび・牛肉・大豆・鶏肉 |
| 保存方法 | −18℃以下で保存 |
まとめ|おいしい?まずい?ザリガニはネタ枠?

味やコスパで言えばエビの下位互換である。
決して味は悪くない。それどころか調理次第で美味しく食べられる。しかし、小エビが安く買えるので食材としておススメとは言えない。
エビに似てるならエビでよい。

おすすめ度:★☆☆☆☆
ネタ度:★★★★★
でも、ザリガニというインパクトは唯一無二である。みんなでワイワイ食べるには面白い商品だと思います。